科目名 日本文化演習IB・IIIB 
副題 比較日本文化論(I) 
担当者 今橋 理子 教授             
開講期間 春学期  単位 2 
曜日   時限 4 
配当年次 3
4 
コース・ナンバー ART-302-JY
ART-440-JY 

授業の到達目標
学際的視点で,美術史(絵画史)および視覚芸術研究を行う方法論の基礎を学び,将来的な卒業論文執筆へと結び付けることを目指す。  

授業の内容
近年日本美術史研究は,従来の〈技法〉〈様式〉〈流派〉研究のみならず,美術史以外の,例えば歴史,民俗,社会,文学研究など他分野の研究成果を取り入れつつ,〈作品解釈論〉の方法を広げようとしている。こうした動向は,現在の比較日本文化論研究の方向と直結しており,私たちはそれを直視しなければならない。本授業では日本文化研究の方法を,美術史から発して探っていこうとする読みであるが,その手掛かりとしてまず〈美術と文学〉を考えていく。本授業は秋学期の授業へと継続・対応する形となる。本授業では,美術と文学の双方の領域において活躍した詩画人・与謝蕪村を例に考えていく。蕪村の俳諧作品は,明治以降の俳句文芸に多大な影響を与えて,近代では長らく画家としてよりも詩人としての業績の高さに比重がおかれていた。しかし江戸時代には,むしろ画家としての評価が高く,彼に私淑し,傾倒した画家は少なくなかった。〈詩・書・画〉一体を文字通りめざした芸術家蕪村が,18世紀という社会的変革の時代を背景に,絵画という〈視覚〉の世界と,文学という〈言語〉世界の間で,どのようなイマジネーションを育んでいたのかを探っていきたい。  

教材
藤田真一『蕪村』(岩波新書705, 2001年)
今橋理子『江戸絵画と文学』(東京大学出版会,1999年)ほか使用

準備学習(予習・復習)の内容又はそれに必要な時間
テキストにはあらかじめ目を通し,疑問点を授業中に質問できるように準備しておくこと。  

成績評価の方法
途中一回と学期末にそれぞれレポートを課す。

オフィス・アワー/教員との連絡方法
日本文化学科事務室を通してアポイントを取ること。

備考
出席数および年に数回授業時以外に見学会を実施するので,その参加度を重視する。

授業計画
第1週概論(1)――比較日本文化論の現在
第2週概論(2)――〈比較研究〉の方法と理論
第3週与謝蕪村を〈読む〉――テキスト輪読(1)
第4週与謝蕪村を〈読む〉――テキスト輪読(2)
第5週与謝蕪村を〈読む〉――テキスト輪読(3)
第6週与謝蕪村を〈読む〉――テキスト輪読(4)
第7週与謝蕪村を〈読む〉――テキスト輪読(5)
第8週美術館での見学会(1)
第9週蕪村における絵画と文学――発表(1)
第10週蕪村における絵画と文学――発表(2)
第11週蕪村における絵画と文学――発表(3)
第12週蕪村における絵画と文学――発表(4)
第13週蕪村における絵画と文学――発表(5)
第14週美術品調査の方法と理論
第15週美術館での見学会(2)