科目名 日本文化政策論II 
副題 日本文化政策の現状 
担当者 阿曽村 智子 講師             
開講期間 秋学期  単位 2 
曜日   時限 4 
配当年次 1〜  コース・ナンバー MSE-102-JA 

授業の到達目標
国家の枠組みを超えたグローバルな視点と地元に根差したローカルな視点をともに取り入れつつ,現代日本文化政策の課題について考察する。文化に関する政策提言レポートを作成するための基礎力を身につけるとともに,日本の文化的多様性に理解を深める機会としたい。  

授業の内容
春学期の講義内容をふまえて,秋学期には理論的考察とともに具体的な事例研究を行う。また,ユネスコ文化政策の歴史的展開の検討を通じて,近年の国際社会における文化政策の動向と日本の国際文化協力の実際や今後の課題ついても考察する。  

教材
参考文献:ジョセフ・L・サックス/都留重人監訳「レンブラント」でダーツ遊びとは―文化的遺産と公の権利岩波書店2001
林容子進化するアートマネジメントレイライン2004
高階秀爾芸術のパトロンたち』(岩波新書岩波書店1997
M.K.スミス&M.ロビンソン/阿曽村邦昭・阿曽村智子訳文化観光論―理論と事例研究 上・下古今書院2009
野口 昇ユネスコ―50年の歩みと展望シングルカット社1996
原則,配布資料に基づき講義を行う。個別テーマについてのより詳しい文献目録は授業時に提示する。副教材として,適宜,視聴覚教材を使用する予定である。文化を政策の対象とすることの意義と課題について学ぶとともに日本文化の多様性に触れる機会ともしたい。

準備学習(予習・復習)の内容又はそれに必要な時間
与えられた課題テーマについてあらかじめ調べてくること。身近な文化遺産など文化政策の対象となる案件の実例について主体的な調査を行うこと。日頃から地元の文化政策に関する情報を集めること。できれば,芸術鑑賞の機会を多く持つこと。これらの総合的な学習を含めて,予・復習に各回平均で2時間程度。  

成績評価の方法
学期末には各自が「文化政策提言」を作成・提出することを課題とする。課題の成果(60%)と,授業参加時の積極性(リアクション・ペーパーの内容等40%)を総合して評価する。

オフィス・アワー/教員との連絡方法
t-asomura●world.odn.ne.jp(change ● to @)

授業計画
第1週序論:文化多様性の時代―世界の構造的変化と日本文化政策の展開
第2週文化と公共性(1)文化遺産と公的権利の諸問題
第3週文化と公共性(2)文化的景観保全の現代的課題 その1―倉敷と鞆の浦の事例―
第4週文化と公共性(3)文化的景観保存の現代的課題 その2―白川郷・五箇山の事例―
第5週文化と経済(1)現代における文化の創造と消費のメカニズム
第6週文化と経済(2)メセナの歴史的系譜と企業メセナ,フィルアンソロピー&CSR
第7週文化と経済(3)舞台芸術としての日本の伝統芸能
第8週国際文化交流政策(1)ユネスコ「文化遺産保護六条約体制」の形成と展開
第9週国際文化交流政策(2)無形文化遺産条約と「文化的アイデンティティ」の諸問題
第10週国際文化交流政策(3)文化多様性宣言の意義と文化多様性条約の課題
第11週日本文化の多様性(1)世界の先住民問題とアイヌ文化振興政策
第12週日本文化の多様性(2)沖縄の文化・歴史と文化観光振興政策
第13週日本文化の多様性(3)海外における日本文化紹介活動の歴史的展開
第14週まとめ 世界の中の日本―日本文化紹介・日本語教育の実情と課題
第15週レポート返却と講評・まとめ