科目名 ☆伝統文化論I(花) 
副題 桜をめぐる現代日本と伝統文化 
担当者 今橋 理子 教授             
開講期間 春学期  単位 2 
曜日   時限 2 
配当年次 1〜  コース・ナンバー TRD-117-JA 

授業の到達目標
日本語で「花」と言えば「桜」を指すほど,桜花は日本文化において重要な植物である。なぜこの植物に格別な<意味>を日本人は見い出してきたのかについて理解を深める。  

授業の内容
「桜」は古来日本において特別な意味を担って浸透してきた花であるが,とりわけ江戸時代ほど「桜」が愛され,園芸・芸術・文学の分野のみならず,殖産興業や政治の手立てまでに活用された時代はなかった。しかし現代にまで続く「桜=日本の花(国花)」というイメージは,実は江戸時代に誤って広まった言説に基づくものである。だがそうした誤った認識こそが,江戸時代以来の「桜」に関わる日本文化を,驚くほど豊かにしてきたとも言える。本授業では,現代日本における「桜」の文化的意味を,江戸時代における現象と対比しつつ,なぜに現代の日本においても,この花が文化的に不可欠の要素で有り続けているのかについて考える。  

教材
今橋理子『江戸絵画と文学』(東京大学出版会,第4版,2006年)
今橋理子「環境保護から創造する伝統芸術(1)〜(3)」(東京大学出版会広報誌『UP』2006年6月〜8月号(連載))
山田孝雄『桜史』(講談社学術文庫,1990年)

準備学習(予習・復習)の内容又はそれに必要な時間
テキストにはあらかじめ目を通し,疑問点を授業中に質問できるように準備しておくこと。  

成績評価の方法
平常の出席状況と学期末のレポート(予定)によって評価する

オフィス・アワー/教員との連絡方法
日本文化学科事務室を通してアポイントを取ること。

備考
授業時間外に,美術館への見学会などを予定している。

授業計画
第1週概論:桜をめぐる日本文化研究の現状(1)
第2週概論:桜をめぐる日本文化研究の現状(2)
第3週桜と日本人(1) 古代の思想
第4週桜と日本人(2) 和歌の詩学
第5週桜と日本人(3) 皇国思想と象徴
第6週桜と日本人(4) 戦時下の桜
第7週桜と江戸文化(1) 園芸の広まりと博物学
第8週桜と江戸文化(2) 「桜画」の成立
第9週桜と江戸文化(3) 琳派と桜
第10週桜と江戸文化(4) 桜と祭礼
第11週現代における桜(1) 浮世絵の場合
第12週現代における桜(2) 桜木と工芸
第13週現代における桜(3) 桜と環境保護
第14週現代における桜(4) 桜をめぐる報道と流行現象
第15週まとめ――東日本大地震後の日本と桜