科目名 近代文化論II 
副題 「社会」とは何か――歴史から考える 
担当者 木村 直恵 准教授             
開講期間 秋学期  単位 2 
曜日   時限 2 
配当年次 1〜  コース・ナンバー HIS-133-JA 

授業の到達目標
「社会」をめぐる近代思想の基礎的な枠組みを学び,日本語と翻訳の問題および「社会」という言葉をめぐって展開された近代日本の歴史と思想について理解する。  

授業の内容
「社会」という言葉は,日頃,さまざまなシーンで耳にする機会の多い言葉である。だが,この言葉がどんな意味をもっているのかを正面から問うことは難しい。たとえば,「社会人」という言葉がある。これはいったいどのような「社会」に生きる,どのような「人」のことを意味しているのだろうか。よく気を付けてみると,「社会」という言葉の意味は一つではなく,文脈に応じていろいろな意味やニュアンス,価値づけが与えられていることが感じられるだろう。それとともに,皆さん自身もあまり自覚しないままに,「社会」という言葉をいろいろな意味で使い分けているのではないだろうか。
この言葉は,日本語にとってはもともとsocietyという言葉の翻訳語として定着したものである。societyは近代の重要概念のひとつであり,ヨーロッパ近代社会の展開とともに,この概念についての思考も深まっていった。この授業では,「社会・society」という言葉に焦点をあてつつ,この言葉をめぐる歴史と多様な意味をたどることをつうじて,私たちが今,この言葉とどのように向き合えばよいのかを考えてみたい。  

準備学習(予習・復習)の内容又はそれに必要な時間
毎回,授業後には授業内容を復習して理解を深めるとともに,授業で紹介した文献を自習すること。  

成績評価の方法
授業への参加態度と試験によって評価する。出席が授業回数の7割以上であることが,試験を受ける条件となる。

オフィス・アワー/教員との連絡方法
水曜,3時間目。授業時間に直接,もしくは学科事務室をつうじてアポイントメントを取って下さい。

授業計画
第1週はじめに――「社会」のイメージ探訪
第2週「社会」と'society'――「社会」概念の東西
第3週翻訳と近代化
第4週'society'と出会うまで――近世後期から幕末期の想像力
第5週'society'と出会う・1――幕末維新期の西洋体験と西洋近代「社会」体験
第6週'society'と出会う・2――幕末維新期の西洋体験と西洋近代「社会」体験
第7週'society'を想像する・1――西周と19世紀西洋社会科学との出会い
第8週'society'を想像する・2――福沢諭吉と19世紀西洋社会科学との出会い
第9週西洋近代における'society'の構想・1――「社会契約」という発想
第10週西洋近代における'society'の構想・2――「商業社会」・「市民社会」
第11週「ソサエチー」を結ぶ――明六社の実験
第12週「社会」が生まれる――近代的公共圏の成立
第13週「社会」を使う・1――明治期における「社会」概念の諸相
第14週「社会」を使う・2――20世紀前半における「社会」概念
第15週「社会」を使う・3――20世紀後半における「社会」概念