科目名 形象文化論VI(芸術交流論) 
副題 近代日本の音楽文化の諸相 
担当者 高久 暁 講師             
開講期間 春学期  単位 2 
曜日   時限 3 
配当年次 2〜  コース・ナンバー ART-206-JC 

授業の到達目標
・現代日本の音楽文化の基層をなしている近代日本(江戸時代末期から明治時代・大正時代・昭和初期)の音楽の諸相とその豊かさを知り,日本の音楽文化により深く多面的にアプローチできるようにする。
・近代日本の音楽ジャンルを代表する曲種と楽曲,歴史的に重要な役割を果たした作曲家・演奏家たちについて,録音資料や映像資料を介して体感的に知る。  

授業の内容
江戸時代末期から昭和初期にかけての時代は,日本の音楽文化がダイナミックな進展と変化を遂げた時期として特筆されます。今年度の授業では,この時期に発生・発展・消滅あるいは発展的解消を見たさまざまな音楽をジャンル横断的に紹介してその音楽的実態を知り,社会的背景や影響関係についても考察を行います。授業では録音資料や映像資料を積極的に活用します。  

教材
教科書は特に使用しません。講師の作成したプリントを配布します。参考図書はたくさんあるので,授業で指示あるいは紹介するようにします。レポート作成の際に,これらの参考図書を読む必要があります([成績評価の方法]を参照)。

準備学習(予習・復習)の内容又はそれに必要な時間
準備学習として調べるべき項目(人名や作品名や用語など)や聞くべき音楽(動画サイトを用いることもあります)を授業で指示することがあります。その場合,一回の授業について30分から1時間程度の時間が必要となるでしょう。詳細は初回の授業で説明します。  

成績評価の方法
出席の回数とレポートを総合的に評価します。今年度は短いレポート(授業の内容に関連する首都圏の音楽博物館,または展示の見学報告)と,授業の内容に基づいたレポート1通(学期末のレポート,2400字程度)の提出を課します。レポートを作成するために授業で指示された参考図書を読む必要があります。詳細は初回の授業で説明します。また,7月初旬の授業でもプリントを配布して詳しく指示を行います。

オフィス・アワー/教員との連絡方法
・出講時限の前後の時間帯に直接面会するようにしてください。・学期末レポートの執筆要領を記したプリントに,教員と確実に連絡の取れるメールアドレスを書くようにします。

備考
音楽の専門的知識や経験は必要ありませんが,義務教育修了程度までの音楽全般にわたる知識は前提とします。社会情勢の変化に応じて,授業内容を変更する場合があります。日本と隣接地域(朝鮮半島,中国大陸,台湾など)の地理の知識や近代史の基礎的な知識が必要となる場合もありますが,最低限の必須項目は授業でも触れるようにします。授業に出席して,どのようなタイプの音楽も積極的に聞き取ってゆく態度が一番大切です。

授業計画
第1週授業ガイダンス,音楽をめぐる学問とその広がり,音楽の調べ方,首都圏の代表的な音楽資料館とその利用法,成績評価の課題(レポート)の説明ほか
第2週日本の音楽文化の特質(1)歴史的・地理的概観
第3週日本の音楽文化の特質(2)社会史的概観
第4週日本の音楽文化の特質(3)近代日本の音楽文化の特質
第5週失われた近代日本の外来音楽(1)明楽・琉球宮廷音楽:日本の音楽文化のなかの中国音楽
第6週失われた近代日本の外来音楽(2)清楽・清楽から演歌・歌謡曲へ
第7週唱歌の諸相(1)複数の「唱歌」・学習院でも歌われた保育唱歌
第8週唱歌の諸相(2)唱歌の東アジア世界への伝播
第9週唱歌の諸相(3)唱歌の細分化・儀式唱歌と校歌・社歌
第10週西洋音楽の大衆化の諸相
第11週邦楽の近代・新日本音楽とその後
第12週戦前期の西洋音楽(1) 作曲家とその作品(山田耕筰,信時潔ほか)
第13週戦前期の西洋音楽(2) 演奏家とその演奏(久野久・澤田柳吉から原智恵子・安川加壽子など)
第14週戦前期の西洋音楽(3) 外来演奏家たちの役割とその演奏
第15週授業で十分に触れられなかった重要事項について,まとめ
授業計画については初回の授業でも説明します。