科目名 日本思想研究VI(近世思想) 
副題  
担当者 吉田 麻子 講師             
開講期間 秋学期  単位 2 
曜日   時限 2 
配当年次 2〜  コース・ナンバー PHL-214-JC 

授業の到達目標
わたしたちが生きている今の時代の価値観・もののとらえ方・考え方などは絶対的なものではないということを実感し,相対化できるようになること。  

授業の内容
近年のアニメ「妖怪ウォッチ」の大流行をあげるまでもなく,現代科学がいくら進んだところで,わたしたちはこの世ならぬものに対しての興味を失うことは決してありません。いつになっても「本当にあった怖い話」は尽きることなく口にのぼり,多くの人々の関心をひきつけて止みません。
また,わたしたちが普段から「霊魂なんて存在しない,死んでしまえばそこにあるのは無だけだ」と考えていたとしても,やっぱり親しい人のお墓の前に立てば,自然と心の中でその向こうにいる誰かに向かって言葉をかけてしまうのも事実です。つまり,現代人である私たちは,一方では「死後の魂」や「この世ならぬ不思議なものたち」について冷静で客観的な意識を持ちながらも,どこかで完全には割り切ることができないという,大変あいまいで矛盾した感覚をもっているのではないでしょうか。
ところで,近代西洋科学が入ってくる以前の日本では,死や死後の世界,あるいは妖怪や幽霊といった不思議な存在は,現代の私たちが感じているよりもずっと身近で当たり前のものでした。
この授業では,江戸時代の日本人が,人間の死生をどう考えていたのか,またそこに神や妖怪や幽霊はどう関わっていたのかについてとりあげます。特に,江戸時代の思想家・平田篤胤(篤胤は妖怪話を研究し,また人の霊魂の行方を考えました)を中心に考えていきます。  

教材
教科書:吉田麻子平田篤胤ー交響する死者・生者・神々平凡社新書2016

準備学習(予習・復習)の内容又はそれに必要な時間
予習・・・テキストの次の章を読んでおく。復習・・・授業でとったノートや書き込んだプリントの断片的な情報を,次の授業までに,もう一度,自分の言葉できちんとした文章に直しておくこと。  

成績評価の方法
授業全体の三分の二以上の出席を最低条件として,成績評価は授業中に提出する課題が20%,最後に課すレポートが80%とする。

オフィス・アワー/教員との連絡方法
質問等は授業後に受け付ける。それ以外の時間は学科事務室を通じて連絡をとること。

授業計画
第1週ガイダンス
第2週二十一世紀の死生観1
第3週二十一世紀の死生観2
第4週二十一世紀の死生観3
第5週霊魂のゆくえと西洋文明の接近
第6週鬼神は実在するのか
第7週大江戸妖怪ブーム
第8週土着的奇談とフィールドワーク
第9週祈ること祭ること
第10週死と生の捉え直し1
第11週死と生の捉え直し2
第12週江戸の知識人と異界
第13週南島の死生観1
第14週南島の死生観2
第15週まとめ