科目名 日本文学論VI(中世) 
副題 奈良絵本・絵巻にみる異郷・異界 
担当者 恋田 知子 講師             
開講期間 秋学期  単位 2 
曜日   時限 2 
配当年次 2〜  コース・ナンバー LIT-220-JC 

授業の到達目標
物語の形成と構造,本文と絵の関係,文化・信仰的背景など,さまざまな角度から奈良絵本や絵巻を読み解く力の獲得をめざします。問題を設定し,それを解決するのに必要な作業を学び,レポートや卒業論文を書くための基礎的な力を養います。  

授業の内容
室町から江戸中期にかけて制作された彩色の絵入り本,いわゆる「奈良絵本・絵巻」を鑑賞します。奈良絵本・絵巻には,室町時代を中心に制作された短編の物語群であるお伽草子をはじめ,幸若舞曲や古浄瑠璃などの芸能をもとにした作品,王朝物語や軍記物語などもあり,素朴な絵本から豪華な絵巻まで多種多様である。
本講義では,各作品に描かれた「異郷」や「異界」を取り上げ,天竺・震旦・日本の三国世界観や東アジアの「異界」観,現代アニメなども視野に入れ,さまざまな角度から作品を読み解きます。  

教材
参考文献:市古貞次編御伽草子』(日本古典文学大系岩波書店1958
大島建彦・渡浩一編室町物語草子集』(新編日本古典文学全集小学館2002
松本隆信編御伽草子集』(新潮日本古典集成新潮社1980
小松和彦異界と日本人―絵物語の想像力角川書店2003
徳田和夫編お伽草子百花繚乱笠間書院2008
石川透広がる奈良絵本・絵巻三弥井書店2008
恋田知子薄雲御所 慈受院門跡所蔵 大織冠絵巻勉誠出版2010
鈴木健一編海の文学史三弥井書店2016
教科書…授業時にプリントを配布します。
参考文献…授業時に適宜,紹介します。

準備学習(予習・復習)の内容又はそれに必要な時間
シラバスや講義において紹介したお伽草子の作品や参考文献について,図書館等を利用して予習や復習を試み(4時間程度),講義内容の理解を深めてください。  

成績評価の方法
授業への参加態度・コメント内容・学期末レポートによって総合的に評価します。

オフィス・アワー/教員との連絡方法
質問等は毎回のコメント用紙や授業後に受け付けます。それ以外の時間は学科事務室を通じて連絡してください。

備考
講義形式ですが,最後の10〜15分を使って毎回コメントを書いてもらう予定です。
講義に反映したいので,意欲的に取り組んでください。

授業計画
第1週ガイダンス 講義概要および評価方法・室町期の文芸について
第2週概説 奈良絵本・絵巻の特徴
第3週『浦島太郎』にみる竜宮と蓬莱1
第4週『浦島太郎』にみる竜宮と蓬莱2
第5週鬼のすみか ―『酒呑童子』1―
第6週鬼のすみか ―『酒呑童子』2―
第7週天上の異郷 ―『天稚彦草子』1―
第8週天上の異郷 ―『天稚彦草子』2―
第9週異界探検 ―『富士の人穴草子』1―
第10週異界探検 ―『富士の人穴草子』2―
第11週異国をめぐる ―『御曹子島渡』―
第12週お伽草子における異国「天竺」「唐土」 ―『不老不死』『二十四孝』―
第13週『大織冠絵巻』にみる唐と竜宮1
第14週『大織冠絵巻』にみる唐と竜宮2
第15週まとめ ―唐と日本の境「ちくらが沖」―
講義の進行状況にあわせて,取り上げる作品や順序を変更する場合もあります。
初回ガイダンスには必ず参加してください。