科目名 日本文学論VII(近世) 
副題 仮名草子の世界 
担当者 恋田 知子 講師             
開講期間 春学期  単位 2 
曜日   時限 2 
配当年次 2〜  コース・ナンバー LIT-221-JC 

授業の到達目標
仮名草子の諸作品を中心に江戸の文芸に親しみ,当代の文化や思想,社会状況を考慮しながら,さまざまな角度から作品を読み解く力を育成します。問題を設定し,それを解決するのに必要な作業を学び,レポートや卒業論文を書くための基礎的な力を養います。  

授業の内容
江戸初期に創られた,平仮名主体の散文文芸である仮名草子を鑑賞します。印刷技術の発達により,読者層が拡大した近世には,さまざまなジャンルの文芸が誕生します。本講義では,中世から近世の過渡期に位置づけられる仮名草子は,物語や詩歌,日記や随筆,評論や実録など多様なジャンルを含んでおり,のちに花開く江戸文芸の萌芽を見てとることもできます。
本講義では近世文学の特徴的なテーマに即して仮名草子の諸作品を読み解きます。中世からの物語草子の流れと新興の文学の特徴を明らかにし,仮名草子の諸作品から江戸の文学や文化,社会について考察します。  

教材
参考文献:前田金五郎・森田武編仮名草子集』(日本古典文学大系岩波書店
渡辺守邦・渡辺憲司編仮名草子集』(新日本古典文学大系岩波書店
朝倉治彦編未刊仮名草子集研究(一)未刊国文資料刊行会
中野三敏江戸の出版ぺりかん社2005
冨士昭雄編江戸文学と出版メディア笠間書院2001
堤邦彦江戸の怪異譚―地下水脈の系譜ぺりかん社2004
教科書…授業時にプリントを配布します。
参考文献…授業時に適宜,紹介します。

準備学習(予習・復習)の内容又はそれに必要な時間
シラバスや講義において紹介したお伽草子の作品や参考文献について,図書館等を利用して予習や復習を試み(4時間程度),講義内容の理解を深めてください。授業では作品の一部しか取り上げないので,各自興味を持った作品を読んでみるよう心がけてください。  

成績評価の方法
授業への参加態度・コメント内容・学期末レポートによって総合的に評価します。

オフィス・アワー/教員との連絡方法
質問等は毎回のコメント用紙や授業後に受け付けます。それ以外の時間は学科事務室を通じて連絡してください。

備考
講義形式ですが,最後の10〜15分を使って毎回コメントを書いてもらう予定です。
講義に反映したいので,意欲的に取り組んでください。

授業計画
第1週ガイダンス ― 講義概要および評価方法,江戸の文芸とは ―
第2週概説1 近世文学の特徴 ― 出版文化の隆盛と劇文学の展開 ―
第3週概説2 仮名草子の特徴 ― お伽草子・仮名草子・浮世草子 ―
第4週古典へのまなざし1 ― 古活字本の発達と古典の隆盛 ―
第5週古典へのまなざし2 ― 『仁勢物語』の方法 ―
第6週女性へのまなざし1 ― 『名女情比』と遊里・遊郭の文芸 ―
第7週女性へのまなざし2 ― 『露殿物語』と西鶴の好色物 ―
第8週死へのまなざし1 ― 九相図の世界 ―
第9週死へのまなざし2 ― 『一休骸骨』と『二人比丘尼』 ―
第10週動物へのまなざし ― 異類物の系譜と『伊曾保物語』の展開 ―
第11週旅へのまなざし1 ― 寺社参詣と縁起・略縁起 ―
第12週旅へのまなざし2 ― 『竹斎』『東海道名所記』から滑稽本へ ―
第13週怪異へのまなざし1 ― 寺院の唱導と江戸怪談 ―
第14週怪異へのまなざし2 ―『伽婢子』にみる翻案と『雨月物語』の達成 ―
第15週まとめ ― ふたたび,江戸の文芸とは ―
講義の進行状況にあわせて,取り上げる作品や順序を変更する場合もあります。
初回ガイダンスには必ず参加してください。