科目名 日本史論IV(近現代) 
副題  
担当者 加藤 厚子 講師             
開講期間 春学期  単位 2 
曜日   時限 2 
配当年次 2〜  コース・ナンバー HIS-216-JB 

授業の到達目標
幕末から高度経済成長期までを主な対象とし,日本のマス・メディア産業の発達過程と構造,マス・メディア関連政策の策定過程を概観して,両者の特徴を検討することにより,国家と社会,マス・メディアの関係を多面的に理解し,現状を多様な視点から分析する基礎能力を養うことを目標とする。  

授業の内容
近年,マス・メディアに対する人々の認識やマス・メディア産業そのものが大きく変化し,インターネット普及以前のマス・メディアの歴史に関して様々な見解が登場している。またマス・メディアの機能について日本と諸外国とを比較した場合,国や文化による特徴がみられる。これはメディアの社会的位置づけや産業としての発達程度,政府によるメディア政策などの差異に起因するものであり,この歴史的経緯をふまえなければ,マス・メディアの特徴や現況の正確な把握は困難である。幕末から高度経済成長期までのマス・メディア産業の発展過程と関連政策を概観しその特徴を理解することで,現在のマス・メディアを考察するための基礎能力を養う。  

教材
参考文献:佐藤卓己現代メディア史』(岩波テキストブックス岩波書店1998
佐藤卓己・渡辺靖・柴内康文編ソフトパワーのメディア文化政策新曜社2012
教科書は使用しない。その他各回の参考文献は講義中で紹介する。

準備学習(予習・復習)の内容又はそれに必要な時間
毎回配布する次回講義に関する予習プリント(資料)を読み,設問について考察すること(30分)。講義後は配布資料や講義中指示する文献の関連個所を読んで復習すること(30分)。  

成績評価の方法
小レポート1回(20%),学期末試験(80%)

オフィス・アワー/教員との連絡方法
質問等は授業後に受け付ける。それ以外はメール:katsusha1895●gmail.com で連絡すること。(change ● to @)

授業計画
第1週マス・メディア発達過程の通史的整理:メディアの発達過程を整理し,講義の基礎となる時系列を把握する。
第2週マス・メディア概念の変化:メディア概念の変化を理解し,メディアに対する認識の多様性を考える。
第3週活字メディア(1)新聞の企業化:新聞社の発達過程と新聞の機能,関連政策を検討し特徴を指摘する。
第4週活字メディア(2)戦時下の統合と戦後の事業再編:戦中・占領期における新聞の特性と社会的役割を検討する。
第5週活字メディア(3)出版業の興隆:明治期から現在に至るまでの出版流通機構の形成過程について概観する。
第6週音声メディア(1)ラジオ放送の開始:国主導で発達したラジオ放送の機能と期待された社会的役割を検討する。
第7週音声メディア(2)占領政策に伴うラジオ放送改革:ラジオ放送の機構・内容,受容変化を分析する。
第8週音声メディア(3)レコードとコンテンツ販売:音声記録について他メディアと融合した発達過程を検討する。
第9週映像メディア(1)企業化と寡占市場の形成:1920年代における日本独自の映画市場の確立過程を概観する。
第10週映像メディア(2)戦時統制と市場の拡張・再編:戦時映画統制政策の特質について検討する。
第11週映像メディア(3)世界の戦時メディア統制:戦時期における諸外国のメディア統制政策を概観する。
第12週映像メディア(4)日本映画黄金期の到来:占領期以降,社会認識における映画の位置づけの変容を考察する。
第13週映像メディア(5)テレビの普及と既存メディア:産業史の観点からテレビの登場・普及を概観する。
第14週メディアの構成要素(1)通信社:通信社の設立過程を概観し,他メディアとの連関性について検討する。
第15週メディアの構成要素(2)広告:日本における広告業の発達過程と特徴について考察する。
授業内容は進行状況により変更する場合がある。