科目名 現代文化論V(イメージとメディア) 
副題 現実と虚構 
担当者 堀江 秀史 講師             
開講期間 春学期  単位 2 
曜日   時限 4 
配当年次 2〜  コース・ナンバー ART-305-JD 

授業の到達目標
現代のメディア環境を批判的に考察するための知識を得る。また,その方法を習得する。
戦後日本における芸術家たちの取り組みについて,一定の知識を得る。
文化現象を学問的に論述するとはどういうことかを自ら考えられるようになる。また,それを言語として記述するための基礎的なディシプリンを身につける。  

授業の内容
表現されたものが示す内容は,われわれが日々暮らす現実を反映することはあっても,現実そのものではない。フィクション,ノンフィクションの如何に拠らず,そこに表された世界は二次的なものにすぎない。しかし,そうした二次的な世界が現実を侵犯することもあり,現実と虚構は,実ははっきりと区別することが難しい。
本授業では,上に記した意味を,詩人・劇作家として知られる寺山修司(1935もしくは36年生,1983年没)の営みから詳しく解説する。戦後日本における,寺山のマスメディアを活用したテクストを主たる対象として,虚構が現実を侵犯する様々な作品,事例を紹介し,それらを手掛かりとして,映画,テレビ,ラジオ,雑誌などのメディアと現実の関わりについて考察する。
また,そうした具体的考察を通じて,現代日本文化を論ずることの意義と方法についても考えたい。  

教材
参考文献:上野俊哉、毛利嘉孝カルチュラル・スタディーズ入門筑摩書房2000
教科書は使用しない。授業では適宜プリントを配布する。

準備学習(予習・復習)の内容又はそれに必要な時間
授業中に示す参考文献(研究書)を読むこと。適宜紹介する文学その他の作品に,積極的に触れること。都内の映画,演劇,展覧会を観に行くこと。以上を強く推奨する(受講にあたっての義務ではない)。  

成績評価の方法
毎回の授業後に提出するリアクション・ペーパー(50%)及び期末レポートもしくはテスト(50%)によって評価する(レポートかテストかは初回に指示する)。

オフィス・アワー/教員との連絡方法
授業の前後。あるいは,随時メールによって対応。別途指示。

授業計画
第1週ガイダンス
第2週イメージと言語1――寺山修司脚本による映像作品から
第3週イメージと言語2――寺山修司脚本によるラジオドラマから
第4週嘘と事実――寺山修司による語り
第5週フィクションの枠組み,ラジオメディアと現実1――ウェルズ『宇宙戦争』から
第6週フィクションの枠組み,ラジオメディアと現実2――寺山修司『大人狩り』から
第7週フィクションへの現実の導入1――ドキュラマ論,ラジオ
第8週フィクションへの現実の導入2――ドキュラマ論,演劇
第9週フィクションへの現実の導入3――実験映像
第10週ダイアローグとモノローグ――寺山修司の理念
第11週独白と現実――フィクションの枠組みの中で
第12週現代日本文化を論ずること1――比較文学の方法論概説
第13週現代日本文化を論ずること2――比較文学の方法の実例
第14週現実と虚構――寺山修司の写真
第15週まとめ
上記は目安であり,内容は学生の興味関心に応じて変わる可能性がある――毎回の授業では,前半の時間を使って,リアクションペーパーに対して返答する。その内容によって授業の方向は変化し得る。