科目名 比較道具論 
副題 生活を支える道具から生活文化を考察する 
担当者 真島 麗子 講師             
開講期間 春学期  単位 2 
曜日   時限 3 
配当年次 1〜  コース・ナンバー LIF-113-IB 

授業の到達目標
1.道具(生活財)を通して,様々な地域の文化に触れ,国際社会で活躍するための基礎知識を身につけることができる。
2.具体的な造形物や現象を取り上げ,その歴史や地理的文脈を理解しながら考察し,比較分析することから,問題点を発見する能力を養う。
3.私達が築いた物質文化の現状を把握し,過去の反省点を明確にしながら,国際社会に向けて新たな生活環境が提案できる価値観を修得する。  

授業の内容
道具は,広い意味で私達の五体(頭・首・胸・手・足)や五感(視・聴・臭・味・触)の動きを補助する物として使われ,作り出された造形物の総称である。そして,これらは人間が作り出した最も古い文化の一つであると言える。
人間の歴史は,道具の素材発見,および,その性能の拡大と製作技術の発展史でもあり,様々な道具類の使用が,私達の生活にも大きな変容をもたらしてきた。しかし,一方,この物質文化が,地球温暖化を初めとする環境破壊も引き起こしてきた。
生活財の歴史や利用状況,増加に伴う問題点などを浮き彫りにすると同時に,今後の生活環境について考えることが重要である。他国との比較も行い国際的な視野も広げる。
単一の道具からだけでなく,保有する道具の種類や数量,又,無意識に置かれた道具(生活財)の状況から生活文化を考察する。  

教材
参考文献:日本生活学会編生活学事典第1版,TBSブリタニカ1999
近藤雅樹日用品の二〇世紀』(二〇世紀における諸民族文化の伝統と変容 8第1版,ドメス出版2003
山口昌伴台所の一万年-食べる営みの歴史と未来』(百の知恵双書第1版,社団法人農山漁村文化協会2006
教科書は使用しない。その都度プリントを配布する。参考文献は適宜紹介する。

準備学習(予習・復習)の内容又はそれに必要な時間
毎回,授業開始30分ほどを,前回の授業後に提出されたリアクションペーパーからの質問や問題点に答え,共に考える時間にあてているが,その遣り取りの中で出された課題に解答できるよう,予習,復習に2時間以上をかけること。  

成績評価の方法
中間レポート(40%),最終レポート(45%),,授業後のリアクションペーパーの内容(15%)等を総合して評価する。

オフィス・アワー/教員との連絡方法
質問等は授業後に受け付ける。それ以外の時間は,学科事務室を通じて連絡を取ること

備考
毎回,映像資料(パソコン画像)を利用しながら考察する。

授業計画
第1週道具から見た生活史概要・生活を支える道具から生活文化を考察する方法・中世の絵巻にみる生活道具
第2週道具の保有内容からの考察1 −群馬の養蚕農家の暮らし(鍋・釜の利用)・台所道具の歴史
第3週道具の保有内容からの考察2 −道具の配置状況からみる竹富島(二棟造り)の住み方
第4週道具の保有内容からの考察3 −収納の歴史と蔵の役目・収納方法を考える
第5週生活財の増加と暮らしの変容1 −郊外の3LDKの暮らしの実態
第6週生活財の増加と暮らしの変容2 −ライフコースと保有数の問題点
第7週他国の生活財保有と暮らし1 −韓国の都市生活・済州島等
第8週他国の生活財保有と暮らし2 −インドネシア−バリ島の生活財
第9週他国の生活財保有と暮らし3 −ネパールの暮らし・地球家族-30ヶ国の生活財
第10週他国の生活財保有と暮らし4 −台所と食の道具史-イギリス・スウェーデン等
第11週他国の生活財保有と暮らし5 −フィリピン-バタン島・サブタン島の生活財
第12週木の技術と容器−刳物から桶・樽作り・その活用
第13週石の技術とアーチの石橋 −沖縄・熊本県 通潤橋・中国等
第14週伝統技術の活用と地方の資料館づくり −船造りの村と北前船の復原・新潟県佐渡市相川 佐渡金山資料館からの考察
第15週まとめ-問題点と解説
1.伝統技術から作られた道具や文化財を活用した町並みの保存・地域の資料館づくりにも触れる。
2.授業後のリアクションペーパーからも問題点を抽出し授業を進めていく。興味深い問題点が出た場合は授業計画に繰り込む。