科目名 国際政治III(構造変化) 
副題 国際関係の構造変化と21世紀の課題 
担当者 加藤 朗 講師             
開講期間 春学期  単位 2 
曜日   時限 2 
配当年次 3〜  コース・ナンバー POL-326-IC 

授業の到達目標
国際構造の変化の動態を歴史的に分析し,国際構造の変化がもたらす影響とその原因を探る知識や分析力を得ることを目標とする。  

授業の内容
今日の国際構造は,冷戦時代における米・ソという二つの超大国による安定的な「二極」構造とも,ポスト冷戦時代における超大国アメリカと欧・日・露・中などの複数の強国による不透明ながらも協調的だった「一超多強」構造とも異なっている。それは,「グローバル化の進展」「非国家主体の興隆」「主要国における大国意識の高まり」「文明間競争の予兆」などが複合的に作用し,大国間の激しい覇権競争と,国際テロリズムや大量破壊兵器拡散による既存秩序への様々な挑戦が展開する,流動的で,かつ競争・対立的なものとなっている。こうした動乱の時代を経て,やがて新たな国際秩序が生まれ,再び人類は国際的な安定と繁栄を享受することとなろう。だが,そうした安定期に至るまでの過渡期は逆に破滅的な結果をもたらすこともある。20世紀の例を見ても人類は2度にわたる世界大戦を体験している。それゆえ,国際構造の変化の動態を分析し,国際構造の変化がもたらす影響を探ることは,わが国の外交・安全保障政策や国際貢献を考える上からも,国際社会の平和と安定と秩序を形成する上からも極めて重要な前提作業である。本授業では,冷戦終結以降の国際構造の変化とその影響について考察するとともに,我が国の国際政治上の課題を明らかにする。  

教材
教科書:ジョセフ・S.ナイ ジュニア (著), デイヴィッド・A. ウェルチ (著), 田中 明彦 (翻訳), 村田 晃嗣 (翻訳)国際紛争原書第9版,有斐閣2013

準備学習(予習・復習)の内容又はそれに必要な時間
事前にテキストの該当箇所を読み,自らの課題を用意して臨むこと。ディスカッションを通通して,思考力,分析力の養成が主眼であるため,事前,事後の思索が極めて重要な意味を持つ。予習,復習には十分な時間(標準は各2時間程度)を確保することが望ましい。  

成績評価の方法
リアクション・ペーパー(30%)と授業内レポートの点数(70%)を合算して6割以上を合格とする。

オフィス・アワー/教員との連絡方法
akira●obirin.ac.jp(change ● to @)

備考
この授業は国際政治の応用編である。ディスカッションの機会を多く設けたいと考えているので,教科書を活用して,予習・復習を充分に行って授業に臨んでください。

授業計画
第1週導入―国際構造の変化とは何か
国際構造の変化とは何かについて概説する
第2週国際構造と国際紛争
国際構造を変化させる国際紛争の要因について概説する。
第3週国際構造の変化の理論
国際構造分析に必要なバランス・オブ・パワーについて概説する。
第4週第一次世界大戦の起源 
国際構造を根底から崩壊させた第一次世界大戦がなぜ勃発したのか概説する。
第5週集団安全保障の興亡 
第1次世界大戦後に設立された国際連盟の興亡について概説する。
第6週第二次世界大戦の起源
なぜ20年で再び世界大戦が起きたのか,ヒトラーの政策を中心に概説する。
第7週冷戦構造の形成
なぜ米ソ対立の冷戦構造が形成されたか,ローズベルト,スターリンの政策を軸に概説する。
第8週核兵器の役割
冷戦構造の形成にあたって核兵器が果たした役割について概説する。
第9週冷戦の進展
冷戦がどのように進展していったか,デタントや第2次冷戦等について概説する。
第10週地域紛争の拡大
冷戦期には米ソ代理の地域紛争が多発したが,中でも国際構造に大きな影響を与えてきた中東地域の紛争について概説する。
第11週冷戦の終結
冷戦がどのように終結し,国際構造に変動をもたらしたかを概説する。
第12週グローバリゼーションと相互依存
グローバリゼーション,相互依存とは何か,それらの進展が,どのように国際構造を変動させたか概説する。
第13週情報革命,脱国家的主体とパワーの分散
冷戦後の国際構造を変革してきた要因は何かについて概説する。
第14週世界武力社会紛争と国際構造
破綻国家の内戦や世界的に拡散するテロが国際構造にどのような影響をあたえるかを概説する。
第15週結論−世界秩序の課題
現在の国際構造が抱える課題について概説する。