科目名 人間関係論I(家族) 
副題  
担当者 石黒 史郎 講師             
開講期間 春学期  単位 2 
曜日   時限 4 
配当年次 1〜  コース・ナンバー SOC-001-GD 

授業の到達目標
現代の家族を,感情や思い込みによってではなく,思考や論理によってとらえることができる。そのための視点や材料を獲得する。  

授業の内容
現代の社会において,家族は,個々の人にとって,きわめて身近なものとしてとらえられており,さまざまな場面で家族が語られるばあいにも(たとえば「家族の教育力の低下」や「家族介護の問題」のように),どうしても身近な経験をもとにして語られやすい。現代の私たちは,多くのばあい家族に囲まれた関係の中で幼少期をすごすので,じぶんたちの経験してきた家族を自然なものと感じがちである。しかし,じっさいには家族のありかたは,ここ5,60年にかぎっても大きく変化してきている。
この授業では,家族が現在のようなありかたに至ったいきさつなどをふまえながら,現在の家族をめぐるさまざまなことがらを,それらを自明視しない視点からとりあげて説明し,またそれらについて考えてもらう。  

準備学習(予習・復習)の内容又はそれに必要な時間
授業中に指定した文献の入手,統計資料や論文の検索,およびそれらに基づいたコメントの執筆を求めることがある。  

成績評価の方法
成績評価は記述式の試験85%,コメントペーパー15%による。

オフィス・アワー/教員との連絡方法
電子メールによる。授業中にアドレスは指示する。

備考
毎回,授業中に質問を設定し,それへの回答をコメントペーパーに記述してもらう。

授業計画
第1週ガイダンス(評価方法など)と主旨説明を行う。また家族について,よくある「思い込み」を紹介し,それについて考えてもらう。
第2週「家族」と「いえ」ということばの使われかたの歴史的な変化について説明し,現代の日常生活でのそれらのことばの使いかたについて考えてもらう。
第3週家事のやりかた家屋の変化について説明し,現代の家庭生活の特徴について考えてもらう。
第4週産業構造の転換にともなう職住分離について説明し,その前後での生活の変化について考えてもらう。
第5週現代社会は,公的領域と私的領域がひかくてき明瞭に分かれている社会であることを説明し,それらの領域の関係について考えてもらう。
第6週「収入」のありかたがどのように変化しているかを説明し,現代の「収入」のありかたが,家庭生活にどのような影響を与えているかについて考えてもらう。
第7週戦後,一部の世代に非常に一般的となった「専業主婦」について説明し,なぜ,それらが当時の女性に一般的になったのかについて考えてもらう。
第8週こどもの育てられかた,こどもの社会の中での位置づけの変化について説明し,現代の子育ての行われかたの特徴について考えてもらう。
第9週若者が自立するまでのサポートのされかたについて,その歴史的な変化を説明し,現代の若者に必要なサポートについて考えてもらう。
第10週「結婚」の歴史的な変化と,現代の「結婚難」について説明し,結婚難が起きている原因について考えてもらう。
第11週女性の労働の変化について説明し,現代社会で賃金労働と私的な生活のバランスをどのように取ればよいのか,そのための対策について,過去と比較しながら考えてもらう。
第12週戦後急速に普及した産児調整と,その方法の変化について説明し,現在の子ども数がなにによって規定されているかについて考えてもらう。
第13週いちどは反倫理的なものとして否定された優生思想が,現代では新しい形で問題になってきていることを説明し,その問題について考えてもらう。
第14週現代では,高齢期にかならずしも家族とともに生活しているとはかぎらなくなっていることを説明し,高齢期の生活にいかに対処すべきかについて考えてもらう。
第15週まとめと理解度の確認
履修者の希望しだいでは,日本人の「なまえ」について取り上げる可能性がある。