科目名 人間関係論VI(組織社会) 
副題  
担当者 長野 慎一 講師             
開講期間 春学期  単位 2 
曜日   時限 2 
配当年次 1〜  コース・ナンバー SOC-006-GD 

授業の到達目標
1.「組織」に関する理論モデルを理解し,批判的に活用できる
2.「組織」がマクロな社会現象といかに関係するかを具体的主題に即して理解し表現できる
3.「組織」のあり方が社会構造において占める主体の諸位置によっていかように異なって現われるかを理解し,表現できる  

授業の内容
一個人の人格や活動のみではなしえないことも,複数の人が集まることでできることがある。そのような集まりの洗練された形態として「組織」はあります。本講義では,(1)組織に関する基本モデルを解説した上で,(2)これをもとに具体的社会現象を分析する仕方を示すとともに,(3)モデル自体の是非をも検討。  

教材
教科書:渡辺深組織社会学ミネルヴァ書房2010
参考文献:桑田耕太郎・田尾雅夫組織論 補訂版有斐閣2015
伊藤陽一、浅野友彦、赤堀三郎、浜日出夫、高田義久、粟谷佳司グローバル・コミュニケーションミネルヴァ書房2013

準備学習(予習・復習)の内容又はそれに必要な時間
レポートでは,組織に関わる基本概念を批判的に活用し,具体的な現象を検討できる能力を示してもらいたいと考えています。そのためにも概念を咀嚼して理解しておく必要があります。まずは,前半の7回分の講義で組織の諸モデルの理解につとめてください。そのためにも教科書をしっかりと読み込んでください(各講義の前後にあわせて2〜3時間)。8回目以降の授業では具体的な現象を取り上げていきます。テーマに関連する文献は別途指示します。これらの文献を精読するとともに,その内容に対して受講者の皆様は7回までに学んだ理論を適用して考えてみる,あるいは,逆にその内容を参照しつつ既に学んだ理論を批判的に検討してみるという態度で予習・復習に取り組んでください(授業の前後あわせて2〜3時間ほど)。  

成績評価の方法
レポート2〜3回(100%。提出は必須) このほか加点対象になるレポートをかす場合がある(提出は任意)。

オフィス・アワー/教員との連絡方法
shin77shin77●yahoo.co.jp(change ● to @)

授業計画
第1週イントロダクション:「組織」が存在する意義/「組織」の一般的定義。様々な集合のあり方がある中,いかに「組織」という形態が生まれるのか,「組織」という形態であるからこそなしうることとは何なのか。この点を明かしつつ,全体の講義の流れを説明する。
第2週閉鎖システムモデルと開放システムモデル。組織内構造に焦点を当てる理論と組織と外部環境との関係性に焦点を当てる理論の一般的特徴と相違を説明。
第3週合理的システムモデルと自然システムモデル。合理性を基盤に構成される集団として組織を描くモデルと諸個人が生存を計る,様々な利害が渦巻く場として組織を描くモデルを対比させながら説明。
第4週非合理モデルと制度理論。組織内部の集合的な主観に焦点を当てる理論と組織外部のより大きな文化環境との兼ね合いで組織のあり方を解き明かす理論を対比させながら説明。
第5週資源依存理論と取引コスト理論。組織はいかに己の生存に必要な資源を他の組織から調達するか,その過程ではいかなる諸関係が内部に生成されるかを説明。
第6週組織エコロジー論。個々の組織を内包する組織群は,環境との関係でいかに発生,成長,衰退するかを説明。
第7週小括。先立つ講義で説明した各アプローチを,組織を分析する上での包括的な視座へと総合する(人数が多くなければ討論を実施)。
第8週ジェンダーと組織(1)。性別役割分業型社会において組織はいかに女性を周辺化しうるかを説明。事例は高度経済成長期から男女雇用機会均等法成立以前の企業の雇用政策。
第9週ジェンダーと組織(2)。性別役割分業型社会において組織の外部へと追いやられた女性が性別分業の枠内にとどまりつつもいかに別様の組織を発達させうるかを説明。事例は1980年代以降の介護系の市民組織。
第10週ジェンダーと組織(3)。ポスト性別役割分業型社会において組織内でいかように女性のキャリア形成がなされうるかを説明。事例は1990年代以降の職域における女性の処遇。
第11週ジェンダーと組織(4)。ポスト性別役割分業型社会においてケアワークの社会化が女性と組織との関係にいかように関わるかを説明。事例は介護保険制度成立以降の社会状況。
第12週小括。ジェンダーと組織を主題にいかに組織に関する諸モデルを活用しうるか,あるいは,批判しうるかを説明します(人数が多くなければ討論を行います)。
第13週グローバル化と組織(1)。グローバル化を「地球レベルへの公共性の拡張」との側面でとらえた上で,その中で組織がいかに形成されうるか説明。この講義ではまずグローバルな公共性の広がりとは何かを考える。
第14週グローバル化と組織(2)。グローバル化を「地球レベルへの公共性の拡張」との側面でとらえた上で,その中で組織がいかに形成されうるか説明。グローバルなネットワークに身をおきローカル,ナショナル,リージョナルに活動する市民組織を取り上げる。
第15週小括。グローバル化を主題にいかに組織に関する諸モデルを活用しうるか,あるいは,批判しうるかを説明。(人数が多くなければ討論を実施)。