科目名 伝統文化演習IXA(有職故実) 
副題 十二単の着装実習を軸として 
担当者 永井 とも子 講師             
開講期間 春学期  単位 2 
曜日   時限 1 
配当年次 1〜  コース・ナンバー TRD-025-GH 

授業の到達目標
(1)十二単の着装の手順を理解し,仲間と協力して実際に着装できるようになる。
(2)装束類の扱いを通じて,他者を思いやる態度と伝統を継承する心構えを高め,実際の行為に表現する。  

授業の内容
現代日本の伝統的な年中行事の多くは,古代の宮廷社会における儀礼に根源が求められます。有職故実とは,公家を中心として武家・庶民の社会にまでひろく及ぶ,伝統的な習俗や知識の集大成です。四季折々の行事に見られる宮廷装束の意義や美的観点の説明を軸として,国際社会に生きる女性の基礎教養としての,日本文化に対する理解を深めます。
実際の授業では,宮廷女性の盛装である「十二単(唐衣裳装束)」の着装の実習を通じて,古人の生活や感性に思いを寄せてゆきます。宮廷装束に関する知識や実際の着装技術は,「衣紋道」と呼ばれて有職故実の最も重要な部分のひとつをなしています。初心の段階から十二単の着付けが経験できるように,受講生を少人数の班に分けて,段階を踏んで実技を指導しながら,衣紋・有職の世界を楽しく実感できるように計らってゆきます。  

教材
教科書:仙石宗久十二単のはなし第5版,オクターブ1995
初回の授業から毎回かならず持参すること。

準備学習(予習・復習)の内容又はそれに必要な時間
予習:授業各回に指示する教科書・補助資料の該当範囲を次回までに理解しておくこと。(30分から1時間程度)
復習:授業各回に説明した手技を反復して次回までに体得しておくこと。(3時間から3時間半程度)  

成績評価の方法
【1】授業への参加態度(60%),【2】実技試験(25%),【3】学期末レポート(15%)の総合評価。
各項目の評価基準の詳細は初回授業時に示します。
なお,下記〔備考〕欄の理由から,「欠席・遅刻のないこと」を単位認定の条件とします。

オフィス・アワー/教員との連絡方法
質問などは授業の前後に受け付けます。それ以外の時間はサポートセンターを通じて連絡を取ってください。

備考
欠席・遅刻のおそれのある方(就職活動や教育実習などを含む)は,くれぐれも受講登録を避けてください。「少しくらい大丈夫だろう」という甘えが周囲の多大な迷惑の元になります。
演習では,1班5名で協力しつつ,毎回異なる手技と知識を習得します。前回欠席または当日遅刻の受講生がいると,その一人のキャッチアップを待つために他の学生の時間が浪費されて班全員の進度が遅れ,他の受講生の試験にまで悪影響を及ぼします。
実技試験では写真撮影も許可しますので,「御方」に美しく「お服上げ」する技術を身に付けるためにも,全回の出席が必須です。

授業計画
第1週講義:有職故実・宮廷装束概論 および 唐衣裳装束(十二単)模範着装実演
演習:立居振舞の基本(坐礼・膝行など)
第2週講義:十二単1……長袴(ながばかま)の概念と扱い方
演習:十二単1……長袴の着付け
第3週講義:十二単2……単(ひとえ)の概念と扱い方
演習:十二単2……長袴・単の着付け
第4週講義:十二単3……五衣(いつつぎぬ)の概念と扱い方,補足講義(年中行事1)
演習:十二単3……長袴・単・五衣の着付け
第5週講義:十二単4……帯・紐の結び方の確認
演習:十二単4……長袴・単・五衣の着付けの発展
第6週講義:十二単5……打衣(うちぎぬ)の概念と扱い方,補足講義(年中行事2)
演習:十二単5……下具〔=長袴・単・五衣・打衣〕の着付け
第7週講義:十二単6……表着(うわぎ)の概念と扱い方
演習:十二単6……下具と表着の着付け
第8週講義:十二単7……唐衣(からぎぬ)および裳(も)の概念と扱い方
演習:十二単7……下具・表着・唐衣・裳の着付け
第9週講義:十二単8……檜扇(ひおうぎ)の概念と扱い方
演習:十二単8……十二単皆具の着付け
第10週講義:十二単9……各手技の確認,補足講義(年中行事3)
演習:十二単9……十二単皆具の着付けの発展
第11週講義:十二単10……着装の仕上げにあたってのチェックポイント
演習:十二単10……十二単皆具の着付けの総仕上げ
第12週講義:有職故実1
演習:十二単11(確認1)……十二単皆具の着装手順についての理解度の確認 その1
第13週講義:有職故実2
演習:十二単12(確認2)……同上 その2
第14週講義:有職故実3
演習:十二単13(確認3)……同上 その3
第15週講義:十二単とその他の宮廷装束……十二単皆具・小掛装束・直衣装束など各種宮廷装束の総括