科目名 博物館教育論 
副題 広がる博物館活動とその可能性について考える 
担当者 黒沢 伸 講師             
開講期間 春学期集中  単位 2 
曜日   時限  
配当年次 2〜3  コース・ナンバー MSE-285-CA 

授業の到達目標
博物館における教育活動の歴史や変遷について知り,これらを俯瞰的にとらえる中で,博物館教育の目的や意義,基盤となる理論,通底する理念を理解する。
博物館における多様な教育活動の展開について知り,学校教育との違いなど,その特性や手法を理解した上で,新たな活動の可能性について考察できるようにする。
個々の学生の体験にもとづいて,それぞれの興味を具体的なプログラムとして展開する上で必要となる「課題を発見・整理する力」,「実践のための有効な手法をイメージする力」を習得する。
活動の実践に必要となるプレゼンテーション,コミュニケーションのメソッドについて課題・演習を通じて学び,そのスキルを高める。  

授業の内容
近年,博物館相当施設における教育活動は,現場の創意工夫により多様性に富むものになってきた。こうした状況を社会的・歴史的背景をふまえつつ俯瞰し,具体的かつ様々な実践を知ることで,博物館の現在を把握,未来を展望する。
こうした概論的知見を講義の中で整理しつつ,課題演習を通して,各論として新しい教育プログラムの企画作成を試みる。それぞれのプログラムの持つ目的や対象,方法の最適化について考え,チーム毎に具体的なプログラム・活動内容をプレゼンテーションの形式で発表する。
学生相互のフィードバックをとおして,批評的な視座の獲得を目指す。  

教材
教科書:小笠原喜康、並木美砂子、矢島國雄博物館教育論 新しい博物館教育を描きだす版,株式会社 ぎょうせい2012
教科書以外の参考文献は授業中に紹介,配布する。

準備学習(予習・復習)の内容又はそれに必要な時間
・ 教科書は受講前にひととおり目をとおしておくこと。
・授業初日までに,任意の博物館・美術館等(1カ所で良い)に実際に出向いて具体的な教育プログラム(※)を視察,または参加し,その報告(レポート,画像を含めてA4用紙1〜2枚にレイアウト,書式自由)を作成しておくこと。そのプログラムの対象者(参加者),趣旨,内容,具体的な方法などに留意し,優れた面,改善点など各自の評価も含めてレポートすること。レポートは初日に発表してもらいます。
(※:いわゆるワークショップや講演会など,主催者が「教育プログラム」と位置づけていなくても,例えば美術館での展示方法について,など,各自がその内容に教育的配慮があると判断したものであれば,分野や実際の内容は何でも良い。)
・演習課題として,「自分が人に伝えたい(見せたい)もの(こと・人など)」に関する発表を行うので,事前に内容をイメージしておくこと。  

成績評価の方法
事前課題のレポート(10%),授業への参加態度(30%),授業で行う2つの演習課題(10%+30%)及びそのプレゼンテーション(20%)を総合して評価する。

オフィス・アワー/教員との連絡方法
E-mail:kurosawashin●mac.com(change ● to @)

備考
授業実施日は9月11(月),12(火),13(水)を予定。
コンピューターを使ったプレゼンテーションを行なうので,パワーポイント等,基本的なソフトウェアの利用は必須。

授業計画
第1週〇ガイダンス:博物館教育論とは
★『市民教育の場としての博物館』
第2週〇博物館の利用と学び
・レポート発表とワークショップ
・博物館の利用実態と利用者の博物館体験
第3週・博物館における学びの特性
★『博物館教育の基礎理論』
第4週〇博物館教育の実際-1
・博物館教育活動の手法(館内,館外)
・課題演習:教育プログラムの作成と考察-1
プログラムの作成のためのガイダンス
第5週a.実践「伝える!」演習
b.教育プログラムの企画:テーマ,目的,ターゲット設定
第6週〇博物館教育の実際-2
・課題演習:教育プログラムの作成と考察-2
a.実践「伝える!」演習の発表と講評
第7週〇博物館教育の意義と理念
★博物館教育の歴史と変遷
★『日本の博物館教育史』
第8週・コミュニケーションとしての博物館教育
(博物館教育の双方向性,博物館諸機能の教育的意義)
第9週〇 博物館教育の実際-3
・課題演習:教育プログラムの作成と考察-3
第10週b.教育プログラムの企画:詳細案作成
第11週〇博物館教育の実際-4
・課題演習:教育プログラムの作成と考察-4
第12週b.教育プログラムの企画-プレゼンテーション作成
第13週〇博物館教育の実際-5
・事例検証:博物館と学校教育
・課題演習:教育プログラムの作成と考察-5
b.教育プログラムの企画:発表と講評
第14週〇総括とまとめ
・ 第4世代の博物館についての考察
(生涯学習,人材養成,地域と博物館,博物館リテラシー)
★『ジュニア学芸員を育てる』/★『これからの博物館』
第15週・博物館教育の方針と評価
・学びの意義,博物館の存在意義
★ 印は教科書を使用して行うので,授業初日までに関連項を熟読,予習しておくこと。